2010-4-5to各位 三重県猪名部神社(2010-4-3現地調査) 2010-4-5to各位 三重県猪名部神社(2010-4-3現地調査) 過去録再掲
最近 急速に糾弾が強くなった「三重県猪名部神社」の祭りに関する 報告書(マツダが現地で調査したもの) を再掲します
伝統行事 神事 娯楽 加害者と被害者 関心と無関心 多方面から考察する必要があると感じます
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2010-4-5to各位 三重県猪名部神社(2010-4-3現地調査)
各位
平素動物福祉の向上にご尽力を賜りありがとうございます
先にとりあえず写真のみ送信させていただきましたので 説明をさせていただきます
2010-04-03三重県猪名部神社現地調査
文責 松田早苗 2010/04/05
当日9:30am頃現地到着 16:30pm頃現地を離れる約7時間 斜面に立ち続けて あいにくの天候で寒い一日でしたが 撮影場所の確保をするために昼食にもありつけないままひたすら忍耐の結果 目の前で起きた転倒死亡事故という最悪の場面を撮影いたしました
この「いずみ号」という馬が犠牲となったことを重く受け止め この祭りのあり方を問い直さなければならないと感じます
本日2010/04/05 テレビ朝日スーパーモーニングで「上げ馬神事」についての報道がありましたが 相も変わらず知識不足 不勉強な方々のコメントにがっくりとしました
コメントの中で「800年の伝統行事」と表現されていましたが仮に800年来変わらぬ形であったとしても 伝統も文化も時代とともに変化をするものです
ましてや 現地の方 (馬主) でさえも「20年前はもっともっとひどい有様だったのが世論によって改善されたのだ」と言っていました
この馬主は 上げ馬疾走前に広場で転倒した際に負傷した馬の足元を私が念入りに撮影していたことに腹を立てて脅しをかけてきました
実際に柵の竹筒を取り外し 馬を放してやると言いましたが 私はそのようなことではひるむつもりもなく
「写されて悪いような馬を神事に出すことが間違っている」
と申しました
傍らにいた関係者が止めに入り その場主もその場で謝罪をされましたので その後は 相互に冷静に話すことができ「20年前はもっともっとひどい有様だったーーー」と聞きました
他の地元の方に「死亡事故についてどう感じるか」と聞かれましたので率直に「まったく想定外の事故ではない死亡事故と 落馬した少年が負傷したらしく微動だにしない状況で横たわっていましたので 本来の祭りとしての楽しさは感じられない残念なことだ」と申し上げました
「動物との共生を考える連絡会」からも代表をはじめ会員たちが現地調査に参加していましたので 場内のアナウンスは意識されたかのように『動物の愛護及び管理に関する法律』違反にならないように過激なはやし立てや 鞭打ちはしないように」と言ってはいましたが 死亡した馬の説明もないままに私の見た限りでは誰一人として黙祷すらしないままにブルーシートで死体を包み クレーン車で運び出されました
その後は何事もなかったかのように行事は進められました
他の落馬した少年も落馬直後に石垣に体をぶつけた上に馬に踏まれてのではないかと感じられる状況がありましたが そのまま無理に(しきたりでしょうが)担いだり引っ張ったりで少年を土壁の上にあげていました
上げられたまま少年はその場で動かないままに担架で運ばれてゆきました
救急医療からは考えられない処置のように感じました
少なくとも落馬した場所で担送されることが安全第一からは大切なことではないかと感じましたが しきたり通りに土壁を這いあがることのほうが「伝統維持」には大切な価値観のように感じ ここでも「人や動物の重大な負傷事故や命にも勝る.伝統とは何か」と問い直したい思いでした
会場を離れる前に関係者に少年の状況を問ましたが「意識もあるし大丈夫です」とは言われましたが 真実を伝えるためにはこのようなことも報道をされるのがメディアとしての役割ではありませんか?
心あるジャーナリストがおられるならば 過去にもこの神事による障害者がおられると聞きましたし この少年についても追調していただきたいと思います
少年とご家族のためにはそっとすることがよいのか このような形での「神事」という名のもとに隠ぺいされることを改め 今後のためにはあえて危険を冒さない祭りとされることがよいのか 地元の価値観に全てを委ねるのではなく 世論の関心も必要ではないでしようか/
上げ馬に成功した者への賛辞が大きく 落馬という「不名誉」が少年の心に生涯にわたり影響するのではないかと案じましたが 地元の方からは「伝統の改革」は言葉にはできないことではあろうと察します
それでも続けるということは「人」は承知でも 巻き添えにされる馬は不幸な限りです
祭りや伝統にはある種の危険は付きものだと言ってしまえば 伝統の名のもとに虐待が容認されかねません
自らの意思で参加される「人」にはそれでもよしとされても この祭りでの「馬」は自らは意志を持って参加していないでしょう
その証拠にこの日引き出された12頭の馬たちは全て強烈に抵抗をしていました
ただならない怯えと興奮の状態にあり 絶対に人を信じて乗馬を受け入れているとは感じられない状況を目の当たりにして 日ごろから信心深くない私ではありますが「神事」として「神」はこの行いを喜ばれるのかと疑問にさえ思いました
2010-04-03-上馬神事5回目転倒馬死亡
後の情報では頸椎骨折と聞きました
口腔 鼻孔から多量の出血があり 転倒と同時に呼吸が止まるのを目撃しました
不浄を清めるかのように神主によりおはらいがあり 青年たちにより清酒と塩が撒かれていましたが黙禱も合掌もなく 談笑しながら次へと行事は進行されていました
2010-04-03-上馬神事9回目落馬
落馬直後の馬の下に少年の袴が見える
少年を肩で担いで土壁まで運ぶ様子
土壁の上で少年の袴が見えている
2010-04-03-上馬神事神社前広場で興奮転倒
神社神殿前の広場で馬を馴らすのか廻っているうちに興奮して転倒した
右後肢から少量ながら出血があった様子でそれを集中的に写真に撮ろうとしていたら恫喝された
その他一連の写真
多くの馬は多少ではあるが体に傷があり 怯え 興奮 抵抗を示し 穏やかな馬はいなかった
馬主は「乗馬クラブの馬はもっと哀れだ」と言い 神事の馬を可愛がっていることを強調していましたが 少なくともこの日見た限りでは人と馬が信頼関係にあるとは感じられませんでした
悪しき伝統とならないために世論の関心は大切であります
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