2020-8-15 敗戦の日に思う
2020-8-15 敗戦の日
敗戦の日は 私は6才であった
辛い記憶は思い出さないようになっているのか 空襲警報のことや 防空壕のこと 疎開先でのことなどは確かな記憶には残っていない
父がフィリピンに渡って後の 母の孤軍奮闘は想像に余りあるが 子供であった私が具体的にどこで何をしていたのかも確りとは記憶していない
神戸で履いていた「こっぼり」という女の子の高下駄が 雪の多い田舎道では役立たずで 辛かったことはおぼろげに覚えている
土地の方から頂いた藁沓を履いて雪道を歩く「行きはよいよい」雪が解けて水浸しとなる帰路は「帰りが怖い」で泣いていたことも覚えている
転々と知己を頼り疎開したので 幼稚園にいた期間が6カ月程度であった様だった
食糧難で栄養失調症となり 私が「鳥眼」(夜盲症)となったと母が言っていた
学校の遠足には 木綿針と長めの木綿糸を持参させられて イナゴ狩りをさせられた
捕ったイナゴを 数珠つなぎに糸に通して 釜茹でにして 貴重な蛋白源として学校給食に供された
先生の前では口に入れたものの 噛むことができず 先生のいないところて 吐き出していた
虱がいない人の方が珍しい時代であったので 学校の教室で座っている前の生徒の首筋を虱が這っているのをみていることも日常の風景でもあった
「女子は日本手拭を持ってきなさい」と言われると明日何があるのか分かった
DDT散布だ
両手の親指で耳を 央3本の指で目を 小指で鼻を押える
襟首をつかんで持ち上げられて 消防ホースのような噴射機で 頭と 首から背中に勢いよく噴射されると瞬く間に真っ白になった
虱が逃げないように頭を日本手拭で包み込む
今だと薬害だのと大騒ぎされそうなことも日常に行われていた
戦後 神戸市の知人を訪ねてゆく道中に 「汽車」に乗ったが 木製の椅子で座るどころか 立っている隙も無いほどの混雑で 私は靴が片方脱げたまま 探すこともできないままに 必死で母の手を握っていた 片足裸足で知人宅までたどり着き 電気風呂に入れて頂いたことを覚えている
時たま 父が母宛に書いた戦地からの手紙を読んでみるが 何時も子供のことを思い遣ってくれている
生真面目に 他の人が敬遠される仕事に身を投じるあたりその心中が解るようでもあり もう少し融通があってよかったのではないかとも感じるが 私はこの父の気性を受け継いだように感じることがある
損得ではない やらなければならないこととして 覚悟して挑む
祖国の家族のことを思いつつも曲げられなかった父の気持ち 尊いような そうでないような 複雑な気持ちでもある
最期は 飢え死にか 戦病死であろうと推測された
わが父ながら 自慢に値するほどに 才能豊かな人であったと感じている
書も歌も 彫刻もそれなりのものを残してくれている 語学 英語スペイン語タガログ語と堪能であったようだ
日本の文字もローマ字も 素晴らしく美しい文字を書いている
この父が生きて私を教育したくれていたら もう少しは大きくなれたのか?
萎縮してダメになっていたのか?
人生の終わり時に考えることではないが 戦争という馬鹿げたことをして 人間の愚かさと 復興に関わった人間の英知に感心すること暫し
戦争はしたくないと念じても 愚かな人々が「儲けたい」「自分の地位を存続させたい」と 欲に動かされる人間がいる限り応じざるを得ないことがあるだろう
「話し合えばわかる」という人もいるが 「昼寝の時間は終わりましたよ」と言って差し上げたい
話してわかる人は決して 戦争などしないし 脅迫もしない
歴史を自己流に曲げてでも他国を陥れたいという国家元首もいれば それを鵜呑みにすることしか知恵が働かない「洗脳」というコロナに毒された国の人々も哀れだ
信じることを間違うと 落とさなくても済んだ原爆を落として 原爆投下を正当化して自己満足に浸った国民と同様に 決して負けることは無い大日本帝国 と信じて戦うことになった国民 第二次世界大戦の敗戦国となった日本のことを思い出すことも勉強になるのではないか?
解りつつも止められない 頭の中が「欲」というコロナに侵食されている人々がいる
それに備えるには それ相当の対抗の力を保有しなければならず 武力反対というならば「降参」覚悟しかない
竹島を乗っ取られたまま 尖閣も 沖縄もと狙われて尚「反戦平和 話し合いましょう」と言えるなら「奴隷となることも覚悟の上ならおすきにしなさい」としか言えない
若い人々には申し訳ないが 私の人生はそう長くは続かないので 幸せなのかもしれない
全ての戦争犠牲者に黙祷を奉げます
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