25015-10-5 飼主責任と譲渡者責任
8年前に救護活動で手元に来ていた子猫をお迎えくださったご夫妻の奥様が 長い闘病生活に終止符を打たれたかのように9月末に亡くなられました
通夜に出させて頂いた折にはご主人さまは妻であられた奥様に対する感謝の気持ちをあふれるばかりに話しておられましたが お一人となられてがっくりとされたのでしょうか ご主人も入院される事態となりたちまち猫の世話が問題となりました
知人を介してその事態を知り 私はその猫を引き取ることを申し出ました
譲渡の際にお約束し「譲渡誓約書」を書いていただいた際に
『飼えなくなった場合は松田が生きている限りは 必ず私松田に返還してください』と記していました
ご夫妻もそのことに同意してくださり 譲渡させていただきました
ご夫妻にはとても愛されてはいましたが かなりシャイな性格で誰にでも親しめる猫ではないようでした
通夜の日も人目を避けているのが寂しげでもあり哀れに感じましたが 数日の後に頼りの綱のご主人さま迄も倒れられるという不運に見舞われるとは思いもよらず ご主人さまのことと共に猫のことも案じることになりましたが ご主人さまのことについてはご親族がお世話をされますが お近くでもなく猫の世話には至らないとのこと
『飼えなくなった場合は松田が生きている限りは 必ず私松田に返還してください』
残念ですが当に今がその時となってしまいました
日頃から松田の動物に対する考え方に好意的に賛同して頂いていましたので私の手元に還されることは故人様のご意志には背かないものであろうと思います
ご親族も手放すことを同意され 意思表示されていますので 飼主としての猫と社会に対する責任と 譲渡者としての私の責任を果たす時だと心得ています
普通の? 動物愛護の方々であれば次なる譲渡をすることこそが大切とお考えかもしれませんが 社会全体から見て 幸せだった猫の二次譲渡が可能であれば 全く幸せに恵まれない猫の譲渡にご尽力を頂きたいと思うのです
8年と言う年齢とシャイである性格からも私は二次譲渡は故人様も望まれないと思っています
飼主責任 譲渡者責任とはそういう事であると いま一度皆様にもお考えいただきたくて このケースをご紹介させていただきます
改めて ご主人様のご容態が悪化しませんようにと祈りつつ 故人様のご冥福を心からお祈り申し上げます
猫を慈しみ育ててくださいましたことに心から感謝いたします
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引っ越し早々にお疲れ様でございました。
その猫ちゃんはきっと幸せな8年を過ごしたのでしょう。
新しい飼い主に譲渡しても慣れるまでのストレスは今までの
幸せな日々を台無しにしてしまうように思います。
我が家の新しく迎えた猫も野良出身で臆病な性格ですので私を
受け入れてくれるにはまだまだ時間がかかりそうです。
ですからもし私が先立てば決して譲渡はしないよう両親には
伝えてあります。
去年最後の猫を見送った時はもうこれでいつでもあの世に
行けると思いましたがこの最後の猫を看取るまではなんとか
生きなければと思っています。
朝夕冷え込むようになりましたので風邪など召されませんよう
ご自愛下さい。
投稿: 美弥子 | 2015年10月16日 (金) 22時51分
2015-10-20美弥子様コメント返信
お久し振りですね
皆様お変わりございませんか?
コメントありがとうございました
返信が遅くなりましたこと ごめんくださいね
どんなに不敵正多頭数飼育者の元であっても譲渡さえすれば「命」を救った「殺さなかった」と思える人々により新たな苦難を押し付けられる動物たちは数えきれません
先日報道で知りましたが 団体シェルターに600匹の犬猫等が収容されているとのこと
殺処分はしないことが基本姿勢の運営らしいのですが600匹収容しなければならない状況が生まれる原因は不適正譲渡 つまりは飼主責任が果たせない人々に動物が飼われていたと言う事です
誰でもでも欲すれば どこからか手に入る「動物」
国内にいない昆虫 即ち 外来種の昆虫が手に入るのは日本だけで 外国人が外来種の昆虫を買に来日するのだと昆虫マニアのタレントが言っていました
それは将来を見据えられない日本国としての恥ずべき状況であると感じます
計画性も良心もない商売を国家が認めていることは恥ずべきことであり 自然環境管理の上からも全く無責任な方策であると感じます
アライグマが代表的ではありますが 他の多くの種も同様に害獣として殺処分の対象になったのも 国家としての基本方針がなっていないから 将来像を描くことを怠り 職責を放置していた結果でしょう
職業の自由や 個人の趣味の選択の自由は何処かで束縛されることは致し方のないこともあります
全てが「自由」であるなら 「厳しい義務」がなければならないでしょうが あらゆる自由は それを主張してもその責任の取り方には限界があります
あるシンポジュウムに参加されたお方が 昨今 高齢者が子犬を飼うことを奨励されているということを嘆いておられました
バックアップもなしに誰でもが動物飼育ができる社会にすることは 動物を大切にしなくてもとにかく飼育頭数さえ増えればいいですよと感じられたそうです
今回のご夫妻様のように飼育中断に至る原因は 無論やむを得ない状況で決断されることもありますが 飼育頭数の増加だけを目論むことは 不敵正飼主の手にも動物が手渡されると言う事であり その結果不敵正飼育管理や遺棄放棄が多くなると言えるでしょう
神戸市での老犬譲渡に際しても触れましたが 行政機関としては基本姿勢として「安楽死処置」(安楽殺処置)ができるところでなくてはならないでしょう
『CCクロ』方式が徹底されて 適正な飼主が増えることが将来の不幸な遺棄や放棄を抑制することにつながるでしょうが 民間のシェアを奪い合ったのでは行政機関としての責任を果たしているとは言えないでしょう
何でも譲渡は社会に対して単にご機嫌伺いをしていることになりかねません
民間のシェルターに600匹が収容されると言う事は異常な状況であると感じなければなりませんね
それもその団体が運営しているところが 日本国内で唯一のシェルターではないのですから 類似のことは国内いたるところで起きている現象でしょう
今からでも外来種の輸入と個人飼育全面禁止を積極的に検討しなければならないでしょうし 共生動物に対する飼主責任の教育にも徹していただきたいですね
メディアは珍獣飼育礼賛に加勢されたでしょうから 反省と共に日本国の将来に対する意識改革にも尽力していただきたい
メディア出身の新環境大臣は メディアに対して環境省としての姿勢を正していただきたいですね
狂犬病予防法違反の犬が 著名タレントに連れられて大衆の目前に現れることは異常なことです
鑑札もつけないで常時「かわいい」だけで取りざたされるようなことは法治国としては恥ずべきことです
メディアも出演タレントも 誰もそのことに疑問を持たないことは法律を尊重しているとは感じられず 「知らなかった」と言うのであれば情けない限りです
「適正譲渡」と「適正飼育」は人と動物と社会のためには大切なことであると 改めて感じて頂きたいですね
投稿: | 2015年10月21日 (水) 04時07分
まったくおっしゃる通りでまたまた尊敬の念を深く致しました。
我が家の猫が捕獲された同時期に捕獲された子猫が預けられた
動物病院の先生が絶対に譲渡先を探すと里親を募集する団体に
預けたそうです。
でも先天的に尻尾が動かず爪が出ないと返されました。
絶対殺処分は反対される方達でもその程度のことで送り返すのは
何か矛盾を感じます。
命を受け入れるということはすべての欠点も一緒に受け入れること
と個人的には思います。
90歳をとうに越されたYさんが20匹以上捕獲され自費で決着を
つけられた事にもこの国に対する疑問を感じます。
無責任なエサやりを放置した結果これだけの不幸な猫が誕生したので
これは国としてちゃんと対応しないとどうしようもないと思います。
また地域猫という新たな流れが動物を幸せにしているのか疑問を
感じます。
松田さんのように高尚な文章が書けずすみません。
お忙しいでしょうから返信は結構ですのでどうぞ御自愛下さいませ。
最後に母がくれぐれもよろしくと申しております。
投稿: 美弥子 | 2015年10月21日 (水) 11時37分
美弥子さま 何時もご覧下りありがとうございます
近頃は1日置きに夫の見舞いにまいりますので 時間を取られて家事がなかなか進みません
PCに向かう時間も制限されてしまうこの頃です
動物福祉はなかなか進まないですが 近年の環境省の方針が「殺処分させない」となっていれば仕方がないのでしょうね
この国に生まれた命はこの国のおきてに従うしか仕方がありません
抵抗はしていますが多勢に無勢
【成るようになる 成るようにしかならない–S,Ma】
語感の良い「殺処分ゼロ」「ノーキル」は現実とは乖離していても支持者は増えていますからね
あなたのように毅然とされたお方は少なくなりましたが 厳しい私の主張に賛同してくださるお方もおられて救いです
お母様によろしくお伝えくださいませ
くれぐれもお体をお大切になさいますよう 平安をお祈りいたします
投稿: | 2015年10月28日 (水) 01時24分