今年もこの日を迎え 恒例となっています「忠ちゃんの花束」が東京から届きました
19年間欠かさず届いています
彼は阪神・淡路大震災当時未成年でやってきました
活動の終わり頃に成人となった忠ちゃんも 今は立派な花の中年ですが 私の思い出の中では
今もあの頃の若き日の忠ちゃんなのです
本当は「忠ちゃん」とお呼びするのは失礼なのですが勘弁していただきましょう
当時の中心的役割を果たしたボランティアやスタッフも多くの方々が高齢者となりました
震災の実体験がない人々が多くなり 悲惨だったあの時を知る人が少なくなって行きます
資金も物資も人材も 何もなかった状況から 被災動物救護活動を何とかしようとして
立ち上がれたのは 幸運であったと今も感じています
「兵庫県南部地震動物救援本部」として組織固めができたのは
日常の個人と個人の信頼関係であったと思います
そして今 現在の『CCクロ』活動が 「官民協働」としての活動が維持できるのは 相互に話し合い
譲り合うことをしているからであり 可能な範囲を心得ていることであると思っています
昨今 神戸市動物管理センターの保管動物の引き出しに躍起になっている人々については
とても低俗に感じます
(S,Ma注-この表現は松田早苗個人の見解ですから ご意見は当のブログに寄せてください)
例えるなら
原野を開拓した=
殺処分目的に建設された施設に 譲渡対象動物の保管場所を作る工夫をして
努力してきた
開拓者の苦労を知らないで 漸く実った作物=「適正譲渡」を
因縁をつけて持ち去る=不適正譲渡の強要が あたかも意義あることのようにこじつけて
市民の権利のような錯覚のもとに引取をすること
近年の農家を襲う収穫期の作物の持ち去りにも似ていると感じるのです
科学的にも指摘をされていますように 近い将来に大災害が発生する危険性は よく論じられています
災害時対策としても 危険とされる動物の一般譲渡は行政機関としてはして
はならないと感じています
国家と 議員各位 法律家の皆様 動物愛護の団体の方々に問いたいので
す
動物を好まない人たちについては 「動物愛護のためにはすべて
我慢しなさいと」 言い切られるおつもりなのでしょうか?
咬傷事故が起こる危険性を知りつつ 乞われるままに譲渡を許している
その点では動物が好きか嫌いかのレベルではない 動物福祉と 市民に対しての日常の安全と
動物による不快感を与えてはならないというお考えに 神戸市の本庁サイドではかけていると感じます
その不適正譲渡を無策に裁断され 現場に指示をされているであろうと拝察していますが このことに大いなる疑問を感じています
行政機関としての 無差別譲渡で 一部の市民の不当な申し出について 安易な解決をされていませんかと問いたいのです
私は『CCクロ』の責任者を務めていた時期 子供連れで来られていた 見学者の幼い子供さんに
展示していた犬が飛びつき目の下に軽度ながら歯が当たり裂傷を負わせたことがありました
その時の 市民の方の怒りは今も忘れられません
行政機関だから 安全を徹底されなければならない 私も官民協働の一方の責任者として ひたすらお詫
びをいたしました
当時 ボランティア側からも 「保護者の管理責任」という 意見が出ましたが 私は安全対策に抜かりが
あったと感じて お詫びの心を伝え 即座に医療機関へ電話をして 急患の受け入れをお願いし 同行し
診療中には他の子供さんのお守りをさせていただき 当日の診療費と駐車費用を自己負担させていただ
きました
治療に当たられた医師は 当然ながら 眼の下という 微妙な個所でもあり 予後についても 聞いていて
も「厳しい」と感じるほどの説明をされていました
その際に 保護者の方は 「受け取りません 受け取ると万一予後が悪くなったときに 訴訟も考えているので」と言われました
私は 「この費用負担は 私の個人としての気持ちであり 万一訴訟をされた場合にも 一切関係なく お
見舞いとしてお受け取りください」と申し上げて受け取っていただきました
行政機関であるという 感覚から 厳しく迫られたのだと感じました
その後 経過をお電話でお伺いして 誠意を尽くすことに努力をしました
幸いにも順調に治癒に向かい事なきを得ましたが
あの子供さんに「犬は怖い」という感覚を与えてしまったであろう
申し訳なさに反省の気持ちと共に以後の保管管理には一層の厳しさを 神戸市動物管理センターにも
要請いたしました
あの時の適正保管管理に 私自身が 周囲に折れて 妥協をしたことへの後悔の気持ちは忘れられない
ものとなりました
今後 神戸市動物管理センターから
ある種の危険性を予知しながらも譲渡された動物による 不幸な事故が発生したとき
引取をした団体か個人の責任だと言い切るおつもりなのでしょうか?
人による危害等もあって 動物は常にある種の危険性は必ずあるとも言えますが 『CCクロ』においては
普通には譲渡対象とされた動物は 適正審査を受けさせていますから よほどのことがない限りは安全と
いえると思っています
そのための適正譲渡なのですから
その対象外に 不敵正譲渡をされることがあるのであれば 「無念」と叫びたい
ボランティア組織としての体裁が整わなかった時期に 保管室の鍵だけを預かっていた頃には365日働い
た日々もあった
休日に一人で掃除をして 子犬の世話をしていたこともありました
やり始めたからにはやり遂げたいと思う気持ちで辛いと思ったことはなかったし 掃除もされず
給餌 給水もされなかった 劣悪処遇の過去を知っているだけに それができることの方が喜びでもありま
した
阪神・淡路大震災 被災動物救護活動にご支援くださった全ての方々に 今も心から感謝しております
あの過酷だった日々を思い返して 世界の人々に助けられましたことは忘れられない感謝の気持ちでいっぱいです
その御恩を忘れないために「兵庫県動物愛護管理推進協議会」と神戸市動物管理センター譲渡事業支援ボランティアグループ「(公社)日本動物福祉協会 CCクロ」の任意のメンバーが 「東日本大震災」発災依頼ほぼ毎月街頭に立ち昨年からは「福島県動物救護本部」支援募金を続けさせていただいています
もはや過去のこととして人々の関心は薄れているように感じますが 災害はいつ襲うかもしれません
災害時に備えて 社会の安心安全と 動物の適正な管理は深くかかわっています
今こそ 動物が社会の中で嫌われたり恐れられたりする対象としない
ためにも 【適性譲渡】について 動物愛好家が社会責任として心得
なければならないことと訴えます
適性譲渡とは「安心」「安全」が基本であり 社会に送り出す動物が「不安」「忍耐の強要」
「偏共生」とならない配慮が必要であります
「兵庫県動物愛護管理推進協議会」関係各位と『CCクロ』の若い方々にご理解を得て
「福島県動物救護本部」支援募金活動が続けられますことに感謝の気持ちで一杯でございます
同時に 全国的にも類を見ないと思いますが 官民協働でこの活動が続けられましたことに誇りを
持っています
親しいお方を偲ばれる方々にはお辛いこの日でありましょう
人にも動物にも平安な日々が訪れますように また 「東日本大震災」の被災者の方々にも
お見舞いと共に 国を挙げて復興促進がなされますように祈ります
犠牲となられました全ての御霊のご冥福をお祈りいたします
2014/1/17 松田早苗 (元兵庫県南部地震動物救援本部 副本部長)
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