2013-4-3大下幸子さま返信
大下幸子さま
【松田さんがCCクロの現場から退いておられるのは、非常に残念です。】
このように言っていただけるだけでありがたいことですが 世代交代はとても大切なことだと感じます
『CCクロ』が今日に至るまでには多くの難関がありました
重大な咬傷事故を起こした柴犬の処遇で 30年にわたる活動を共にしてきたかつての相棒と意見の対立があり 『CCクロ』の存続にもかかわるほどに苦悩した日々が続きましたが 私の意見を支持してくださった若い方々のおかげで何とか難関を切り抜けました
咬傷事故の当該犬はボランティアさんのお一人が引き取るとの申し出があり 私は反対でしたが当時の市動管C所長のご判断で譲渡として決められました
どのように理想を高くしても「責任者」としての地位は当然ながら居候的な民間人の比ではなく 行政機関の長がすべてを左右されます
この先にも再びこのような事態(不適切譲渡)があれば 私の信念としてはとても妥協はできないと感じて『CCクロ』の責任者退陣を決意しました
その後にも紆余曲折があり 私が退陣はしたものの 私の後を責任者として運営を希望された「かつての相棒」が責任者としての継承が不可能となり 私との意見対立があった「当時の市動管C所長」の要請により現場復帰をしました
しかし 一度は『CCクロ』から決別を決意したので 再び「責任者」の地位に就くことはしてはならないと意を決していましたので「アドバイザー」として後進の育成に努めることにしたのです
咬傷事故を起こした犬であってもボランティアさんたちを二分するほどに「安楽死処置」(安楽殺処置)には抵抗があったのです
【---頭では理解できても、心情的について行けるのかどうか、未だ自分でも確信を持てないでいます。】
あなたのお心はふつうに皆さんがご経験されることです
私でさえも活動を始めたころには「安楽死処置」(安楽殺処置)など関心もなく 必要性を感じたことがなかった というよりも避けて活動をすることができる程度の対応頭数であったということですが 知識も乏しく 無差別譲渡もしていましたね
「動物が好き」という人が動物に不親切な行為をするとは考えてもいなかったからです
しかし 譲渡先のフォローをしていますと「なぜだ?」という事態に何度も遭遇したのです
それは踏んだり 蹴ったりをされてはいないものの 私の感覚では「大切」にされているとは感じられない状況があったからです
当時は「動物福祉」ということには考えが及ばず 知識もないままの「善意」のつもりの活動だったからです
その後に知ったいわゆる「ネグレクト」保管です
悪意はないが 動物はこの程度で良しとされる飼い方です
はたして一匹を「助けた」と言えるのか?
自問自答しましたね
助けたつもりで動物に忍耐を強いているのではないかと悩みました
そして 知識不足ながらも自分流に譲渡基準を見直したのです
結果は譲渡頭数が減り 手元に残る余剰頭数が増えました
これでは動物に「幸せ」を保障することもならず 悩んだ結果「安楽死処置」(安楽殺処置)にたどり着いたのです
どのように考えても 遺棄することで「生かしている」という解釈には至らず 手元での不適切多頭数飼育にも限界があり 理性を働かせれば 「安楽死処置」(安楽殺処置)の他には解決方法が見いだせなかったからです
そのころから知識を得たいと思い シンポジュウム等の勉強の機会を求めて東奔西走しました
国中いたるところで浮浪犬猫が見られ 私でさえも年間取り扱った頭数が最多1200匹にも達していましたから 「安楽死処置」(安楽殺処置)に救いを求めなければ救護活動は不可能な状況でした
遺棄された動物の哀れな末路は常に見ていましたし
遺棄が生存につながるということは言い訳の内には入れたくなかったのです
【獣医は、「あんたみたいな人に拾ってもらって、この子も最期は幸せだった」と慰めてくれました】
あなたの出会われた獣医師は現実的でもあり 誠実さでも立派なお方だったと思います
その子犬は救われたと心から思います
改めて冥福をお祈りいたします
今後もご無理はなさらなくていいと思いますが 行政機関職員や 他の『CCクロ』職員やボランティアさんたちの理性的な行為に対して静かに見守っていただきたいと思います
この方々も「幸せに救える」のに「安楽死処置」(安楽殺処置)で片付けているのではありませんから その所はしっかりと理解をしていただきたいのです
繁殖過多で余剰動物があふれている現状では「安楽死処置」(安楽殺処置)を否定することは動物に不要に苦痛を強要するに等しいことだと知っていただきたいのです
人の心の安らぎのために 不適切多頭数飼育者の手に落ちるか 遺棄されるか 救護活動から見捨てられるか ネグレクトを看過していることが 「ノーキル」の実態です
殺処分は致し方ないと理解をされても 心がついて行けなくてもご自分を責めることはなさらないでください
そのために真に動物の福祉に努める 本当の「優しさ」で誠実に理性的に 動物も人も苦しめることなく 社会のひずみに立ち向かっている人がいます
私は『CCクロ』はそのような人々に支えられていると誇りをもっています
そして 苦しみに耐えて 人としての務めを静かに追行される方々に心から感謝いたします
長文となりましたが 誤解を避けるためにはまだ言い足りないのかもしれません
既存の団体でも個人でも 『CCクロ』の活動を妨害しようとするさもしい輩はたくさんいます
現場で踏ん張ってくださる方々のためにも 皆様の心のご支援をいただけますように宜しくお願いいたします
【出来ることを 出来る人が 出来るようにする―S,Ma 】
あなたにおできになれることを誠実にしていただければよいのです
「安楽死処置」(安楽殺処置)を否定できる状況でないことをおひとりでも多くの方に知っていただけるように ご尽力を宜しくお願いいたします
真摯なお心でご投稿いただいたことに感謝の気持ちで一杯でございます
ありがとうございました 松田早苗
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>私でさえも活動を始めたころには「安楽死処置」(安楽殺処置)など関心もなく 必要性を感じたことがなかった というよりも避けて活動をすることができる程度の対応頭数であったということですが 知識も乏しく 無差別譲渡もしていましたね
「動物が好き」という人が動物に不親切な行為をするとは考えてもいなかったからです
私も同じで、活動初期は、動物好きは皆、動物を大切にし、必ず去勢不妊をするものだと
思い込んでいました。ところが、動物を好きだと自認する人の中に多くの虐待者がいるのです。
嫌いな人は飼いませんから虐待飼育もないのです。(稀に虐待目的で入手する者もいますが)
「初めから飼わないことも愛のうち」という啓発文言を発している自治体があります。
核心に触れたすばらしい啓発文言ですね。
>人の心の安らぎのために 不適切多頭数飼育者の手に落ちるか 遺棄されるか 救護活動から見捨てられるか ネグレクトを看過していることが 「ノーキル」の実態です
同感です!
「ノーキル派」は「キル対ノーキル」の論戦に持ち込んで、「ノーキル」を正当化するのですが、
私はこの論戦は狡いと思います。
「正しく飼える人を厳選する里親探し」対「虐待飼育をするような人にでも渡すずさんな里親探し」
が正しい比較だと思います。
>そして 苦しみに耐えて 人としての務めを静かに追行される方々に心から感謝いたします
世間体がどうであろうが、正しいことが正しいのだという強い信念をお持ちなのでしょう。
ご自分の良心に忠実なのでしょう。
私も心から感謝致します。
多くの人は、他人から誉められると嬉しくて、また誉めて欲しくて、同じことを繰り返す弱さを
持っています。そして道を誤ります。
その顕著な例が、熊本市動物愛護センターの偽装愛護事業でした。
↓
http://www2.tky.3web.ne.jp/~meme/a-kokuhatu-kumamoto-city2.htm
>咬傷事故の当該犬はボランティアさんのお一人が引き取るとの申し出があり
私は反対でしたが当時の市動管C所長のご判断で譲渡として決められました
松田さんだからこそ、真摯に先の先まで読んで反対されたのでしょう。
一度あることは二度ある、二度あることは三度あるものです。
ボランティアさんが引き取るといっても、一時の気まぐれということも
あります。引き取った人が後悔することもあります。
引き取った側は、そこから10年以上も犬との付き合いがあります。
咬傷癖というものを甘く考えて譲渡すると、犬も人も不幸にして
しまう可能性が高いのです。
>私は反対でしたが当時の市動管C所長のご判断で譲渡として決められました
その時に、松田さんが周りに迎合しなかったからこそ、信頼を得ているのでしょう。
後になって市動管C所長より、松田さんに現場復帰の要請があったのがその表れですね。
>繁殖過多で余剰動物があふれている現状では「安楽死処置」(安楽殺処置)を否定することは
動物に不要に苦痛を強要するに等しいことだと知っていただきたいのです
同感です!!
現場を知らない人は、一匹一匹不妊手術を勧めれば安楽死しなくても良いと言いますが、
無知としか例えようがありません。
不妊手術をする気のない飼い主に、啓発するのは相当なエネルギーを要します。
特に山村部においては、知的障害者も多く、啓発のしようがありません。
こちらが「あいうえお」と言うと「かきくけこ」と聞き取るというレベルです。
レベルの低い飼い主一人を啓発している間に、他の不特定多数の
飼い主が次々と産ませます。動物人口過剰の現状で、全てに里親をさがすのは
非現実的です。全てに里親を見つけたと自慢する人もいますが、それは誤認識です。
あくまでも、少ない範囲内においての全てに過ぎないのです。
また、精力的に里親さがしをしている人は、もれなく、虐待者へ動物を渡しています。
現に、横浜の複数猫虐殺事件の犯人へ猫を渡したのは、
横浜のボランティアと、千葉の愛護団体でした。
健康体の安楽死の必要性についてまとめたファイルです
↓
http://www2.tky.3web.ne.jp/~meme/ai-annraku-shi.htm
投稿: 星野 | 2013年4月 3日 (水) 11時34分
星野さん コメントありがとうございます
安楽死処置が動物福祉に必要であると理解出来るまでにわ色々な経験を積むことが必要です
自分自身をごまかすことで 目前の現実から逃れたいとする心理も働くこともあるでしょう
困難に直面することでやむを得ず認めることになるのわないでしょうか
辛い経験は無いに越したことはありませんが 自ら体得することしか理解には至らないのでしょうか?
投稿: | 2013年4月 4日 (木) 09時32分
松田早苗様
おはようございます。
今日は暖かく、気持ちの良いお天気になりそうですね。
私の猫はどうやら花粉症で、この季節は毎年、くしゃみばかりしています。
今も洟をたらしながら、PCの脇にすました顔で座っております。
猫も花粉症になるのでしょうかね?
CCクロの代表を辞された経緯、拝読させて頂きました。
三十有余年のご活動の中では、恐らく他の誰にも理解できないようなお苦しみ、語り尽くせないお悩みを、ご一身に背負っていらっしゃったのでしょうね。
様々な葛藤を経られて、「安楽死処置」(安楽殺処置)に辿り着かれた由、松田さんが切り開いてこられた道程の険しさに、改めて思いを馳せております。
かつて安楽死をさせてしまった子犬のことですが、暖かいお言葉をかけて頂いて、私自身も救われる思いです。
ありがとうございます。
あの子はきっと静かに眠ることができたのだと、私も信じたいです。
CCクロに連絡させて頂きました。
あいにく北村様とはお話できませんでしたが、4月18日のボランティアオリエンテーションに参加させて頂けるよう、申し込みをいたしました。
松田さんにアドバイスを頂戴したように、今の自分にできることを、自分なりに取り組んでみようと思います。
本当にありがとうございます。
また、不適切多頭数飼育者の所へ現地調査に赴かれる折などがおありでしたら、松田さんのお邪魔にさえならなければ、車の運転でも荷物運びでも、何でもさせて頂きますので、お気軽にお声をかけて下さいませ。
では、いつの日か、松田さんに再びお目にかかれる日を、楽しみにしております。
大下幸子
投稿: 大下幸子 | 2013年4月 5日 (金) 11時10分
>かつて安楽死をさせてしまった子犬のことですが、暖かいお言葉をかけて頂いて、私自身も救われる思いです。
安楽死をしなければ、その子犬は苦しみが長びいたことでしょう。
延命によって苦しみを長びかせるより、安楽死によって苦しみから解放して
あげたのです。
大下様は、もっと自信を持っても良いのではないでしょうか。
投稿: 星野 | 2013年4月 5日 (金) 18時34分
大下幸子 さま
それぞれ悩みながら成長するものだと思います
あなたにお出来になられることは 私にできるとは限らないし その逆もありますね
それぞれに与えられた才能が違うのですから 社会は成り立っていると思います
農家あり 漁師あり 科学者あり もろもろの職種があって 私のように社会のお掃除おばさんありで それぞれにないところを補い会えるのですね
【「誠実」に「真実」を語り「親切」であれ-S,Ma】
自分にも他人様にも 動物にも 誠実に尽くすことが大切なのだと確信しています
【活動はいつも ご無理のないように ボツボツと 細ーく 長ーくお続けください-S,Ma】
これから何かを始めようとされる方にはこの言葉を送っています
長く続けることが経験と言う その時その場でしか得られない知識を得られるのです
また お出会いさせていただく日を楽しみにしています S,Ma
投稿: | 2013年4月 5日 (金) 23時40分
松田早苗様
【「誠実」に「真実」を語り「親切」であれ】
大切なお言葉を胸に刻んで、怯まず歩いて行きたいと思います。
本当に、本当にありがとうございました。
また、道に迷ったりした時には、相談させて下さい。
今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。
大下幸子
投稿: 大下幸子 | 2013年4月 6日 (土) 03時20分