2013-2-13編 大山健太郎氏
アイリスオーヤマ社長 大山健太郎氏に苦言を申し上げます
大山健太郎氏言
【当社は、1987年にプラスチック製の犬舎を発売したのが、ペット用品事業の始まりでした。―――
大事な家族をこんな環境においてはおけないと考え、私は金型の技術を生かし、プラスチック製の快適な犬舎を作りました。――――高齢者の仲間入りし始めた段階世代の皆さんには、今後は思い切って、小型犬ではなく中・大型犬を飼うことをお勧めします。彼らと一緒に外へ出かける楽しみを知ることが、生活をさらに豊かにするはずです。】
以下松田の意見です(S,Ma注-赤文字 下線 強調修飾は原文にはありません)
●【プラスチック製の快適な犬舎を作りました。】
このプラスチック製の犬舎で悲惨な飼育環境にいた犬たちのこと 現場をご覧になられましたか?
夏は暑く 強風で飛ばされる かじると木製ではないので害になる
犬を安易に飼育する飼主たちのための安価で気休めの犬舎とでも言いたい思いがしたものです
私は犬1匹分程度の三角屋根のプラスチック製の犬舎を見つけると しっかりとした木製に替えてくださいとお願いをして回りました
(S,Ma注―犬1匹分程度の三角屋根のプラスチック製の犬舎が御社製品でなければごめんください)
当時 資材が比較的安価に手製で作るための マニアルも作っていたくらいです
室内用での使用ならよいものの 屋外用としてはとても哀れな犬舎でした
安易に 粗末に 子供の要求を満たすために犬の飼育を始めた人々のための犬舎
に思えて とても犬のことに配慮されたとは感じられませんでした
こ
のような製品を売る人の発想には「動物福祉」はないのだとさえ感じていました
●【今後は思い切って、小型犬ではなく中・大型犬を飼うことをお勧めします。】
豊かにお暮しのあなた様なら 体調不良の時にも使用人を充てることがおできになれるでしょう
大型犬となれば 医療費も小型犬の数倍のこともあります
食費も然り 保管場所もまた然り
一時預け費用も同様です
あなた様には想像外かもしれませんが 庶民には深刻な問題のことも多いのです
飼い始めて初めて無理だという実感が湧いて 大型犬飼育をしたことに後悔したころには 「愛情」という心の問題があり 手放すこともし難く 心ならずもネグレクトに甘んじた飼主様を多数見てきました
救護活動40年間の経験があった私の例では 60歳を過ぎるころから中の大という体格の犬をリードをもっているだけで立ち止まることが漸くということもありました
ましてや歩くとなれば不安でした
躾が十分であっても 不測の事態は起こります
犬にしてみれば ほんの少し力んだ程度でも その力は強大で恐れをなすほどでした
側溝を飛び越す些細な動作でも予測して気合を入れていないと引き倒されます
日常の散歩にそのような用心がおできになれる高齢者がどれだけおられるでしょうか?
あなたはそのような心配をされることはないですか?
私の現役当時の救護活動の実例です
集合住宅の狭い一室でラブラドールを飼育されていた女性高齢者が散歩もさせないで犬が哀れだと通報を受けて お話をしに伺ったことがありました
躾もされることなく 飛び跳ねる大型犬が高齢者にはどれだけ危険であるか 大型犬大好きなあなた様にもご想像いただけるでしょう
長い時間をかけて 危険防止のために あなたのためでもあり 散歩もしてもらえない犬のためにもと 手放されるように説得をしました
泣きながら承諾していただけましたが 引取の日に車に乗せた犬に何度も別れを告げておられた姿は忘れられませんでした
その犬はその後若いご夫妻に引き取られ 訓練されて犬も幸せになれたのですが 共生の初めに適切に助言できる人が身近におられたら このような不幸なことは防ぐことができたでしょう
別の例では
60歳を過ぎた単身生活者の女性が ロッドワイラー
(記憶ではだったと思う)の子犬をブリーダーから勧められて衝動買いしたものの 成犬となったころには手に負えず つないだまま 排泄で周囲を汚し 閑静な住宅街の住民から苦情として通報を受けて調査にまいりました
雄雌と続けて勧められるがままに飼育を始めたものの 発情のこともあり オスは車庫に入れたまま 留守中はシャッターを閉ざし陽にあたることもほとんどない状況でした
手放されるように説得をしましたが それでも決意ができないままにその後数年を経て 近所からの苦情が絶えず 最後には行政機関が引き取られたと聞きました
このような例は数えきれないほどありました
阪神・淡路大震災の時にも大型犬は避難所に入れず 譲渡として預かったものの 譲渡先には苦慮しました
浮浪で保護されたシェパードを果樹園の番犬に欲しいと言われて 私は断ったのですが ボランティアさんからは譲渡先を断ったのは傲慢だと非難された記憶が今も鮮明にあります
当時の被災動物のための神戸市動物救護センターでは大型犬を収容する場がなく 市動管Cの捕獲犬の収容犬舎に入れられていました
このシェパードは 幸いその後この上もない幸運に恵まれて 幸せな生涯を全うしましたが 運が良かっただけです
災害の予測は高まっている今日 高齢者であれば同伴避難でも困難を極めることは目に見えています
管理者から離れた場合の危険性においても大型犬は小型犬の比ではありません
どう考えても 特別なケースを除いて 一般的には高齢者が大型犬を飼育されることは断じて反対します
『CCクロ』活動で事前訪問をしていた頃にも 60歳を過ぎた方が大型犬を希望をされた場合には
「飼主様の安全のためにも 危険を予測して 助言させていただくことが 私の役割のひとつでもありますし 犬のためにも配慮させていただくことが事前訪問の大切な意義です」と丁寧にお話しさせていただいて ご納得していただいていました
どうか 人と動物と社会の安心安全な日常維持のために 今後このよ
うに 高齢者に大型犬をお勧めになられるようなことはなさいません
ように心からお願いいたします
【「誠実」に「真実」を語り「親切」であれ-S,Ma】に 心がけています
ご無礼の段お許しくださいませ
2013-2-13 文責 松田早苗
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