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2011年5月

2011年5月20日 (金)

2011-5-18編 動物福祉は全ての基本

 

「東日本大震災」発生以来動物救護活動状況を観察し 可能な範囲ではありますがボランティア派遣斡旋 募金協力等をさせていただきながら考えたことは 全ての事は「動物福祉の基本理念」に帰すると感じています

動物福祉についての基本姿勢を正しく保たれたNPOペッツ・フォー・ライフ・ジャパン(PFLJ)の皆さんのご協力を得て現地ボランティア参加をしていただきました

現地での活動には多々困難があったことと思いますが第一陣の無事帰還をされましたことご尽力頂きましたことに心から感謝いたします

次なる派遣を「ドルチェカーネ・中塚」代表 中塚圭子先生のご協力により予定しています

日頃のみなさまとの交流の中で安心してご協力をいただける人材に出合えることのありがたさをしみじみと感じています

ご協力頂いています上記の方々と共に『CCクロ』スタッフ ボランティアの皆さんもやはり「動物福祉の理念」を確りと持たれていることの安堵感は何物にも代えがたい価値があります

基本知識と礼節は共に組織維持には欠かせないものであり その大切さは阪神・淡路大震災時にも痛切に感じました

神戸動物救護センターではボランティア管理が窮屈だとも批判されたこともありましたが

知識 礼節の乏しい人々の集まるところでは良い活動の維持は出来ません

時には組織の崩壊にもつながります

このすぐれた人材が今後も日本の動物福祉の向上に尽力していただけることを願っていますが ともすれば日本社会の動物活動は「動物福祉の理念」のはき違いから 安易な「優しい」「かわいそう」に溺れてしまいますし 厳しい姿勢を貫く者への誹謗が耐えません

法改正の時期を控えて署名活動が盛んになっています

数さえ集めたらよかろうと言う署名主義の考え方もあり 署名をする人々の意識が低迷している中では 要請しようとされている内容の把握をされていないこともあるように思います 

先に当ブログ内でも触れましたが 知人に求められるままに内容の確認をしないで または主催者が著名人だからと言う短絡な視点での署名もある

意識改革にそれで良いのか?

仮にそのような方向に多数と言うだけで配慮されることにも危機感を感じます

動物愛護管理法の改正を求める署名の一部からの感想です

S,Ma-緑文字S,Ma意見)
                     
3
.犬猫の収容・処分施設の基準を設ける
行政及び民間における動物収容の施設について、動物の健康と福祉を確保するための施設および、飼育の基準、ならびに苦痛のない安楽殺処分の基準を設ける。

熊本市センターにみるネグレクト保管が多くの動物団体やメディア関係者に称賛されている現状からは期待し難いし 大災害の復興に莫大な経費を必要とする今日 動物関連に支出を見込むことは困難であると感じます

如何に現状の施設に於いて運用ソフトを適切に活用できるのかは全て携わる人材に掛ってきます

動物の健康と福祉

とは何かを問うところから始まるのであり 基本知識がそれを左右することは熊本方式が物語っています

安楽殺処分の基準を設ける。

平素この署名の主催者自身が「ノーキル」「殺処分ゼロ」の提唱者ではないのか?

それを復しての主張であれば敬意を表するが他に書かれている事 公言されていることとは裏腹にも感じる

あらゆるところでこの主張を貫いてくださることを願いたい


4
.勧告及び命令の改正
動物虐待や悪質業者に対して、動物愛護担当職員に司法警察権を持たせる等の機能強化を図る。
動物愛護推進員を市町村に置き、研修等による人材育成および活動の強化を図る。

この2項目に於いても教育を確りとしなければ 基本知識の取得が危うい

今や若い行政職員の間でも熊本市センターの模倣が台頭している


5.動物虐待に関しての改正
通報窓口の一本化や虐待内容を明記したガイドラインを制定し、取締りの基準を明確化し強化を図る。
殺処分施設へ二回以上の持ち込み、又は不妊去勢を怠り、終生飼育を放棄する行為を虐待の範囲とする。

 に関しては動物関係団体にも 個人に対しても適用されなければならない

自分の多頭数飼育は看過して他の多頭数飼育は批判するのが現状であり

動物救護活動の名のもとではネグレクトについても団体個人も例外としている現状を改めなければ意義が失われる 

いかなる多頭数飼育についても施設と維持管理能力を厳しく規定し 監視しなければ意味がない

殺処分施設

この表現は誤解を招く

殺処分のみしかしない施設はいまだ聞いていない

行政機関を意味するのであれば基本的認識に誤解がある

殆どの行政機関では譲渡を実施しているし 働く人々の気持ちにも配慮が要る

安易な譲渡で問題があるところも少なくない

譲渡さえしていれば「殺処分施設」に該当しないのか?

考え方にもよるが殺処分が悪いのではなく 殺処分方法に問題があると主眼の置き方を変えなければ 現状で100%の救命はあり得ないのに努力次第であるかのような錯覚を広め 基本的に飼主義務の遂行である「死を見届ける行為」の避難に繋がり 責任転嫁に陥り易くすることになる

飼主の義務は共生動物の死を見届けることが第一義であり 譲渡はそのバイパスである 

良い譲渡が成立して喜ぶ人々の陰で不適切譲渡や遺棄 虐待 ネグレクトに苦しめられる動物もいる

[自己愛型動物愛護-S,Ma]に起因することが多い

共生動物の幸せに自信が持てる飼主は他の不幸しか経験しなかった動物に「幸」への道を譲ることも考えていただきたい

「終わりよければすべてよし」と言われているが 救命目的の譲渡や委任 委譲に頼るあまりにそれまでの幸せを全て失い 二次的な譲渡先で悲惨な境遇を耐えさせられる動物も少なくない

劣悪な収容管理状況で「殺さない 助けている」とする団体個人は多数ある

業者 飼主 動物関係者に対する繁殖規制が完全に徹底されない現状では需要と供給のバランスは常に供給過多であることが現実である

【終生飼育を放棄する行為を虐待の範囲とする。】

この項については慎重でなければならない

安易に終生飼育を放棄する飼主ばかりではなく万策尽きて主治医にも「安楽死処置」(安楽殺処置)を拒否された結果行政機関に持ち込む場合もある

それを一律に罰するのは遺棄に繋がるし動物に不必要な忍耐を強要することになる

終生飼育が困難であると判断した時 相談できる窓口としての「動物愛護推進員」等が適切な判断が出来るような教育をして活用し 「安楽死処置」(安楽殺処置)の導入も的確に出来ることが真に動物を不必要な苦痛から救うことになる

フィールドワークを体験していないペーパーあいご家や営利活動家(ボランティアビジネス?)や 社会的知名度の保持に懸命な人々は殺処分さえ否定すれば「動物あいご」と錯覚? または意識的活用をするところが困る

動物に限っては人間による全生涯の支配を余儀なくされている

時には安楽死処置が困難な状況からの解放に最適と言える選択肢であることは 多くの凄惨な現場を体験したフィールドワーカーなら100%と言ってよい程度に認識している

それを公言することのリスクを考えると沈黙の選択となる

S,Maのような誹謗中傷に会うことも知っておられて密かにされることが多い

私は密かにすることのリスクを恐れて公言している

断っておくが阪神・淡路大震災に際しては自説を曲げて殺処分否定の活動に徹した

協力と言うことの合意形成に於いての損得勘定の結果であるが 「安楽死処置」(安楽殺処置)を必要と感じた個体は何頭もいたことも確かである

不必要な延命をさせたそれらの動物たちには今も詫びる気持ちを持ち続けている

多くの人々と動物たちに忍耐をしていただいて凌いだ災害時被災動物救護活動であったが 平時であれば妥協はしたくない状況ではあった

災害に際して救護活動の障壁となりうる「所有権」と言う権利のあり方が問題となることが多々ある

阪神・淡路大震災に際して飼主様に対してお願いしたことは

「今は辛いでしょうがこの動物を手放してくださることがこの動物を救うことになります」とおねがいして同意していただくことをした

どのような施設であっても適切な家庭に勝る環境提供は出来ません 

【人が辛さに耐える分動物の苦痛は救われるが 人が辛さから逃れたければ動物に苦痛を耐えさせることなります どちらもあなたが選択されることです-S,Ma

「今のお辛い思いをこの動物たちを苦痛から回避させることで凌いでください また 復興され 再び動物との共生がお出来になられるようになられました際にはその時点であなたの救いを必要としている不幸な動物を助けてやってください それがあなたの心の支えとなるでしょう」と言い添えました

丁寧に説得をして センターでの長期保管と言う悪状況からの解放に尽力し 平均して2-3カ月の保管期間になるようにと努めました

 

保管期間が短いと多くの批判もありましたが今も状況からの判断として大きな間違いとは思ってはいません 

多くの飼主様は賢明なご判断をしてくださいました

飼主様の同意を得て「所有権」放棄の基に新たな家庭に迎えていただいたのです

事後の追跡調査でも定着率は良いものでした

無論 中には問題行動のある動物もいましたから救護センターに長期に滞在していた動物もいましたが この理不尽なことも今後においては適切な「安楽死処置」(安楽殺処置)が認められる方向を築く為の試練であると耐えたものです

しかし 社会は逆方向に向かいつつあるように感じています 

この阪神・淡路大震災の年を「動物福祉元年」と評価していただいたのではあるが その後に進展をした部分もあるが「殺処分ゼロ」「ノーキル」という耳触りの良い言葉に誘導されて動物福祉の後退を感じています

多頭数飼育やネグレクトは減少したとは感じられないばかりではなく むしろ不適切多頭数飼育は増加の傾向にあると感じています

「東日本大地震」においては基本的に動物福祉の考えが遅れている部分が災いしているような印象があります

飼主の心の支えのために動物福祉が後退することは避けたいものです

飼主様も適切な説明には同意を得られるのではないかと感じるが 救護活動に携わる人々もまた 飼主様優先なのか 動物の福祉のためには飼主様と共に この活動をされるボランティアにも耐えて頂くことの説明はなされているのか疑問があります

日夜懸命に努力されておられることの結果が動物のネグレクト助長となったのではあまりにも悲惨です

官民協働に際しても双方に適切な妥協がなければ完全な合意はあり得ないと感じます

私が阪神・淡路大震災に際して「安楽死処置」(安楽殺処置)否定を受け入れたことも当時の状況ではやむを得ないと感じたからです

飼主様も「所有権」放棄が動物を救うことに繋がることに気付いていたたきたい

関わる全ての人に視点の転換が必要な事にも気付いて頂き「動物福祉」に携わるものとしての覚悟もしていただければと願います     文責S,Ma

2011年5月 5日 (木)

2011-5-1ペット王国現地調査報告書

                                                                                      2011-5-3編 文責 S,Ma

現地調査同行者 T,K氏 

2011/5/1  13:00頃入場

15:30頃退場

主催者HPから

http://www.pet-oukoku.jp/

ペット王国は「震災復興チャリティイベント」として開催いたします。
被災地の支援に少しでもお役に立ちたいと考えております。

主催:エコートレーディング

マーク産業

東映

協力:読売テレビ

エコーペットビジネス総合学院

大阪シティドーム

協賛:

事務局 TEL.06-6367-1680

※お問合せはお電話のみ受付けております。

(お問合せ受付時間:月曜日〜金曜日の10:0018:00

氏名:エコートレーディング株式会社/住所:兵庫県西宮市鳴尾浜2丁目123号/事業所の名称:みんな大好き!ペット王国/事業所の所在地:大阪市西区千代崎3丁目中2番1号/動物取扱業の種別:展示/動物取扱責任者の氏名:門田桃子/登録番号:100092E/登録年月日:平成23224日/有効期間:平成28223

5/1 大阪京セラドームで開催されました「ペット王国」を調査してまいりました

(S,Ma注-例年9月開催のペット博とは別)

報告書をまとめるつもりですが中々捗りません

調査は私的な都合で今年は止めようかとも思っていた矢先に  大阪府下の団体代表者の方から調査要請の電話がありました

かつてはお知り合いであった某団体の出展参加が動物福祉に不適切な行為であり 糾弾してもらいたい旨の訴えでした

ならばご本人が調査され 糾弾されると良いのですがそれはしたくない

他の多くのことでも同様の訴えがありますが 嫌な事 反感を買うことはS,Maに頼みたいとの身勝手な依頼のようです

このお方へはあいまいに断っては置きましたが 例年継続して調査し 報告書を出してきましたので 今年も何とか継続しておきたいと言う私自身の意思で時間を作り出向きました

会場内はあちこちに屎尿が放置され それをしまつするための係員は用具を準備していない

私たちが屎尿を避けるように 周囲の飼主や犬たちに注意を払いながら 他の係員がやってくるのを待つと言う無様なことでした

モップも持たずにトイレットペーパーで多量の屎尿を取ろうとして 素手で作業をする某専門学校の学生たちは何を学ばされているのか?

専門教育の基本姿勢が問われます

現場で私が接した飼主の99%は狂犬病予防法を知らないか 鑑札の装着義務を知らない 罰金も知らないと言いました

法の遵守義務と共に 災害対応としての首輪と鑑札の効用を話し 動物擁護のためにも必要であると説明して納得をされたようですが 違法だけを糾弾しても聞き入れられないでしょうし 現実として違法が多数を占めると言う法律の形骸化が定着しています

違反者から徹底して罰金を徴収すれば莫大な収入になるでしょう

法の下での平等が保たれなくなっていることは法治国家として大きな問題です

会場の出口で男性に連れられた中型と 小型2匹の犬 この一組だけが 鑑札 済標 迷子札を付けていました

4-5匹はざらという多頭数飼育も目立ち 飼主の程度の低さに改めて愕然としました

例年欠かさず参加している動物あいご活動を名乗るこの団体は 相変わらずブースを採っていました

この団体「某」が猫のふれあいをしていました

昨年はブースで使役していた犬の狂犬病予防法違反について  私が指摘をしたところ 鑑札を付けないことに反省の姿勢はなく「別のところに置いている」と応えていましたが 今年はブースにいたデモ犬には装着していました

別の「oo県介助犬協会」のブースでも狂犬病予防法については全く知らないと若い女性スタッフが言いました

若い女性とはいえ基本知識としての狂犬病予防法を知らないと言いきるのは低俗に過ぎる

教えない幹部も悪いが その程度の知識がないことを恥じらうことがないこの人にも自覚がなさすぎるし団体としての品格もない

動物の使役と言う動物福祉ではまだまだ問題がある分野での活動であればこそ 一般の家庭動物との接し方とは違う心構えがなければ虐待行為にも気がつかない程度の飼育管理になりかねないことを危惧します

ブースを構えていたOOO氏を 鑑札 注射済標を装着しないでいる事を狂犬病予防法違反に当たるとして当人の居住地(oo) 業者登録に基きOO行政に指導を要請しました

その人はJKC公認訓練士 教士 C級試験審査員と名のりながら(名刺肩書の一部)デモ犬として会場にいた 大型犬をハンドリングしていた女性も OOO氏自身も狂犬病予防法違反について問いましたが 法律のあることも罰金も知らないと言う有様でした 

昨年もペット博で同様に忠告しましたが今年また同じでしたので電話とFAXで情報提供をして行政指導を依頼しました

 

会場内でスタッフのタグを付けた人の多くが狂犬病予防法を知らない人ばかりで 動物愛護を啓発し 「東日本大震災」支援と称する主催者の趣旨については疑問ばかりでした

「ひよこ」のタッチにも行列を作るほどの人気でしたが これらの「ひよこ」の閉会後の処遇がどうなるのか?

担当者に問いましたが平然と知らないと言い 「肉になるのか?」という答えも聞きました 

末はプロイラの候補かもしれなくてもせめて関心を持つくらいの人であってほしい

ほとんどが専門学校生であったが 動物福祉に関心もないのに訓練士を目指すなと思わず返しました

行列していた幼児の両親にも問いましたが何の疑問もなく「かわいい」だけの関心のようでした

本来であればこのようなイベントに参加をすることが感覚のずれであり 不適切行為に抗議をする程度のあいご団体でなければ啓発団体とは言えない

知らないところで起こっていることではなく 出店しているブースの間近で行われている動物福祉に反する行為に無関心であることは 団体の趣旨表明とは裏腹に 本音が見える 

その程度の本質であるからであろう

調査依頼をされた方も 猫のふれあいと言う業者なみの行動を当然のこととして実施しているから心配して中止を希望されたのだが その考えはこの団体には通じることはないであろう

不幸な動物を種にして 「かわいい」「かわいそう」「「ノーキル」」を訴えることで収入源とする自らの生活の手段としてのシェルター運営と感じてしまう

場内は騒音で疲れましたが 無理に連れてこられた犬たちは暑さと雑踏に疲れたことでしょう

例年調査の度に 怒りに 失望に 無力さに苛まれる

場内での募金呼びかけが盛んでしたが 募金が正しく 被災地へ届けられるのかと 不安を感じざるを得ない程度に粗末な会場の光景でした

出展参加をされる各企業も今一度検討していただけることを願ってやまない

ごまめの歯ぎしりであっても言い添えておかなければならないと感じるので 各企業関係者の中から反省の気持ちを持たれることを期待したい

開催許可を与えた大阪市にも監督責任 義務があると感じます

狂犬病予防法違反や動物福祉に反する行為をなくすためにブースを構えられて指導される必要があるのではないでしょうか?

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