« 2011-2-7編  動物との共生を考える連絡会ゼミへの案内 | トップページ | 2011-2-19 編 ゆれるたてがみさん »

2011年2月10日 (木)

2011-2-10 on 「犬と猫と人間と」その見方と動物福祉 法改正署名活動に思うこと

「犬と猫と人間と」

このドキュメントは見方によって感想は様々だと思います

「ノーキル」を主張する人たちには河川敷での餌付けが美しいことに映るでしょうし 動物福祉を基本にして見る人や動物との関わり方を理性的にみる人には批判的な見方をされるでしょう

私は後者の見方をしています 

餌付けはどこまでが良いことなのか 動物のためにも社会にも本当によいことなのか この40年間考え悩んだことでもあります

餌付けを続ける人の多くが「可哀相だから」と言われます

餌を食べている短い時間だけは関わる人が見ていますが そのほかは誰にも知られない悲惨な時間が大半を占めていることを見逃されています 

一日24時間 一年365日 そのうちの長くても一回に1時間以内しか見てやることはできないでしょう 

そのほかの時間に起きることは「仕方がない」で済まされます 

当に「仕方がない」事ではあります 

そのことを「仕方がない」として見過ごせるのか 「仕方がない」とはいえずに見過ごせないのか どちらにも言い分はあります 

それぞれに背負った生きものとして生きる 生かされる 生きなければならない「宿命」を感じます 

言いたいことは殺したくないから捨てる 

ならば「殺処分」を否定する人たちは「遺棄」を容認されるのか? 

遺棄は法により罰則付きで禁止されています 

なぜそうなるのか疑問に感じませんか?

繁殖される頭数の方が多く 新たに飼主となる人は少ない それが現実です

「殺処分ゼロ」を唱えることはそれらを全て収容できるシェルターを作るか

放置=遺棄するかの選択です 

どちらにも無理があることは明白です 

人の福祉で高齢者を養うことさえも困難である国家財政に動物のためにという名目で何を求めるのですか? 

遺棄されて幸せな生涯を送れる動物は稀なことです 

『動物が命あるものである』『人と動物の共生に配慮』とうたわれた『動物の愛護及び管理に関する法律』の精神に叛くことです

 

識者と自任する人々の中にはしたり顔に「殺処分ゼロ」「ノーキル」を目指せと言いますがフィールドワークの経験がないか乏しいか 実態に目をそむけて世間受けにうつつを抜かした言葉としか感じられません

その陰でボランティアビジネスと称して募金稼ぎでほくそ笑む輩が増えてゆきます 

虐待 ネグレクトを防止するためには 「殺処分ゼロ」ではなく いかに苦痛を少なく「安楽死処置」(安楽殺処置)を実行するかに思考の方向を求めなければ 法改正は今後動物のためにも動物に対する好感を持たない人々のためにも 本当に動物の福祉の将来を案ずる我々にも 悲惨な事が起こることになると危惧します 

その予兆が熊本市方式です

メディアは絶賛して 動物愛好家は乗り遅れまじと支持しますが 熊本市で収容されている動物たちが真に手本となる動物福祉に即した状況で生かされているのか 視点を変えてみていただきたいです 

譲渡基準でも「星」マークでランクされていますが 1星の犬たちはネグレクト保管の末に「安楽死処置」(安楽殺処置)を余儀なくされていました 

熊本市動愛Cの職員のみなさんの気持ちとは相反する結果かもしれませんが予想はできたことであり できないのであればそれはプロとしての意識が欠けていることになります 

それに追随せよという政治家や識者と思われている人たちの煽動により法改正に「殺処分ゼロ」が義務つけられたとき行政機関は安易な責任回避に動くことは否めないでしょう

「殺処分ゼロ」は何時でも実現できます

数字の上のことであり簡単です 

引き取り拒否と無差別譲渡をすればよいのです

すでにその方向が現れていますがそれをほめる広報が人々を惑わせていると感じます  

人が動物の繁殖にかかわったことは引き返すことはできないでしょう

共生動物がいる限り人の責任で死を見届けなければならないことを改めて考えてください

最近法改正の署名活動が盛んです

一に「殺処分ゼロ」「ノーキル」

二に行政機関での長期保管

人員も経費も削減

施設整備は棚上げの現状をしっかりと判断材料に入れてください

誰のためになるのですかと問いたい

署名を煽動する[自己愛型動物愛護-S,Ma]人々か 目論見を持ってボランティアビジネスで稼ぎたい人々のためか 理論を突き詰めて冷静に判断してください

ここには動物に対する真の思いやりはかけらも感じられません

人が心地良いのか否か

動物を苦しめることにならないのか

最近何人かの方から署名についての相談を受け 私の意見を求められましたました

とてもありがたいことです

そのような視点を持たれる方々がおられることが今後の希望に繋がります

厳しいことを言いますが誰かが言わなければ考えていただける機会を失います

反論をお待ちいたします taroo

« 2011-2-7編  動物との共生を考える連絡会ゼミへの案内 | トップページ | 2011-2-19 編 ゆれるたてがみさん »

動物福祉」カテゴリの記事

コメント

初めてコメントを、書かせていただきます。旭川市で馬の愛護の啓発活動をしております。
餌付けの件、私も同じ考えです。
旭川市にも新しい動物愛護施設の建設計画があります。熊本の件以来、こういった動きが流行りの様に感じます。ただの流れでは無い物になって行く様にみて行こうと思っております。
これからも読ませて頂きます。よろし。

はじめまして。
「ペット法塾」の動物愛護改正の要望書に署名しました。
殺処分ゼロ、ノーキル、が真の意味での動物福祉につながらないことは、理解できます。こちらのブログの表題にあるとおり、「人として今すべきこと」とは何か。 安易に情けをかけるより、苦痛のない方法で安楽死させるほうが、動物にとり幸せということなのでしょうか。何が正しいか、正しくないか、は別として、私の周りにはTNR活動を長年続けている知人、個人で保健所から犬猫を引き出して里親募集活動をしている方もいます。皆さん経済的にも、精神的にもご苦労されながら活動しています。彼らが自己愛型動物愛護の世界に浸っているわけではありません。何が動物にとって幸せか、自己問答しながら活動していると思います。 
今年5月横浜市で大規模動物愛護センターが開設されます。いくつかの動物愛護団体が譲渡の協力を申し出たにもかかわらず、対応ははっきりしていないようです。行政はあてにならないから、民間がやるしかない。私の乏しい知識ではこのように理解するしかないのです。
3年前に某乗馬クラブの会員となり、乗馬クラブの引退馬を引き取り、養老牧場に預ける活動をしています。乏しい資金の中で助けられる馬は限られますが、一頭でも多く幸せな余生を送らせたい、やむにやまれぬ気持ちで活動しています。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 2011-2-7編  動物との共生を考える連絡会ゼミへの案内 | トップページ | 2011-2-19 編 ゆれるたてがみさん »

2025年2月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28  
無料ブログはココログ

最近のトラックバック