法律第105号改正に備えて
2010/02/01 S,Ma
このところでかける用が続いていましたし PC用のメガネを落として行方不明 遠近メガネを ずらしながらの書き込みは不便なことおびただしく PC-EMの送信状態も悪く一時預けで調整をして いただいていましたので PCは休憩していました
いただきましたコメントにもご返事をしないままですみません
その間に入った相談もたくさんありました
ペット店 高齢者が飼育される大型犬 ボランティアから子猫の譲渡に関する問題 立て続けにそれぞれが個人のことでもありますが 社会問題でもあります
1) ペット店から売られた生後2カ月齢子犬について
飼主 40歳代男性 単身生活者 軽度知的障害者飼育環境不適切
動物 シェパード生後2カ月齢子犬 ペットショップから買受入手
ペット店が販売に際してチェックすべきシートにはすべて確認済みと記入され 販売責任者 飼主共に署名もされているが 現実には大型犬が飼育できる状況にはなく 大きさ 経済 体力 飼育環境問題についての将来を心配されるフィールドワーカーからの相談がありました
しかし 飼主は現状も将来も認識されるだけの状況にはなく 現状ではまだ柴犬程度の大きさであり 只々「かわいい」ことだけが喜びであり 手放すことなど考えられない状況のようです
大切な社会化もとても期待はできず 手に余る大きさにいたる頃には問題行動で飼育が困難になることが心配されます
この例が示すように 規則があっても 決められたことが機械的にうわべで処理されていることの証拠であり ペットショップでの販売に際しての手続きは実効性が乏しく 抜け穴として示されています
次期法律改正に際しての大きな警告としなければなりません
「ノーキル」と叫ぶ方々はこのような事例にこそ声を大きくして叫ぶことが先決です これらが防げなくて「ノーキル」とだけ力んでも 動物の命の尊厳とか幸せな共生 終生飼育を守らせるには程遠いことではありませんか?
「ノーキル」は現状で現実的には達成し得ないことは 環境省でも 熊本の方でも 某弁護士氏も認めておられますが わかりやすい目標だと称されています
やはり「ノーキル」ではなく「殺処分の減数」という現実に即した目途を提示して周知をすることが大切ではないですか?
2) 高齢者が飼育される大型犬
飼主 60歳代男性 単身生活者 認知症初期症状あり
動物 セントバーナード(MIX?) 7年
飼育困難となっているが種類(大きさ)と年齢で譲渡も困難な状況であり周囲で困惑されている
経済的に余裕があれば有償保管も選択肢とはなろうが 無期限に施設収容させられる犬は哀れである
現状では譲渡先を 探す手段の助言はしたものの 判断力の低下 入院 突然の死に備えて日ごろから 家族としての共生動物の処遇については 飼主の義務として署名入り文書(遺言書等)の用意をされる必要があります
ちなみに 私は我が家の2匹の犬について 遺言書に獣医師による「安楽死処置」(安楽殺処置)をしていただくように書き込んでいます
3) 猫多頭数飼育ボランティアから子猫の譲渡に関する問題
猫の多頭数飼育者が新たに救護活動で収容された子猫の譲渡先探しに協力依頼を受けて奔走された方が適切と判断された譲渡先を斡旋されたが 先様に対しての要求が多すぎ断られたということです
ならば多頭数飼育者自身の現状が 譲渡候補先へのその要求した条件に合致しているかと問えば「否」であるようです
ホーダーの典型的な例であり 手放せない手元におきたい こうして不幸にして多頭数飼育頭数が加算されてゆきます
世間では多くの場合に「やさしい人」との評価を得て 自己満足の境地から出られないことになります
これも「ノーキル」信奉の影響は否定できないでしょう
4) 餌付け
長年 猫の出前餌付けをされている方が 年齢や学習とともに餌付けのリスクを実感されるようになり 止めたいが止められないという話を聞きました
出前餌付けに夢中であった時期には「楽しかった」と感じていたが 近頃は罪悪感さえ感じられるとのことです
餌付けの猫たちがひと時空腹を満たして食べている姿を見るとき 確かに「よいことをしている」という自己満足が得られる心理状態にあることはうなずけます
しかし 多くの場合 餌付けで見つめる一時以外のほとんどの時間における餌付け動物の行動は知らないままにすごしています
虐待 事故 病気 寒暑にくるしむことを 目撃しない限り「よいことをしている」としか考えられないのでしょう
かつてフィールドワーカーとして連日出動していた頃には 餌付けの人からの理不尽な要請を受けたものです
餌付け動物が「死んでいる」「病気」「怪我」気持ち悪いし見てられないし 「触れないから取りに来て」というものでした
放置されることが哀れで 対応していましたが治療費や遺体の処理費用に配慮されることはまれでした
動物愛護の看板を掲げたボランティアなら当たり前でしょうと言う感覚のようでした
「おたくら こんなんようされますね」と敬意なのか 蔑視なのか どちらでも意に介すことはありませんが 餌付けの人々のこころを物語っていると感じていました
「地域猫」の発祥の地である横浜でも 外国人墓地で悲惨な状況に置かれている猫たちを見るとき猫問題の困難さを感じます
「よくないことをよくない」と言い切れなかった提言者の苦悩も察しはしますが 社会受けを重視されたあまりに 適切な時期に警告を仕損じられた悪影響は少なくないと感じます
管理能力を考慮し 地域に適した保管頭数の制限にも助言が必要ではないでしょうか
近頃はTNR(捕獲 不妊手術 解放)に加えて TNRM→M= Management(管理)が重視されています
「地域ねこ」の言葉は提言者の意を無視して 無責任餌付けの人々に利用され 独り歩きをしているのが現状のように感じます
提言者として是正に努められることを望みます
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コメント
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何をどう改善、改正していこうとも問題は次から次へと生まれてきます。
未来の眼から見れば、当然の過程なのかもしれません。
しかし、「現在」の中に身を置く者にとってはジレンマの嵐に身悶えしております。
いずれにしても間違いないと思っていること、「飼い主への働きかけ、意識の向上」をとにかく続けていますが、もう一段、もう一回り、スタッフの意識向上を期待するも、これさえなかなか難しいです。
過去、入会されても、「生ぬるい」と、他を糾弾できる団体へと移る人も見てきましたが、そのほうがいかに「心情的」に簡単なのかを、その人たちを知る限り、確信しておりますので、できるだけの情報を見聞きしていきたいと10年やっていてもまだ思っています。
今後も拝読させていただきますので、よろしくお願いいたします。
投稿: chara_k | 2010年2月 1日 (月) 18時15分