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2009年12月20日 (日)

またもや 熊本市の礼賛報道

現役を退いたはずですが困り果てた方からのSOSにこたえることが少なからずというこの頃です ペット店の苦情から 不適切飼育の指導訪問と出かけることが重なりブログの書き込みを休んでいました このあたりに年を感じますね

多くの団体や活動家と自称される人々は動物愛護と言いながら「ノーキル」のために相談者に安楽死処置(安楽殺処置)の提案ができなくなっているようです

あとは自分で考えなさいということのようです

「私は殺すことにはご協力しません」と言い切れば済むようです 気楽な団体ですね

10年ものブランクがあっても S,Maの電話番号が保存されているらしく相談を受けています

安易に安楽死処置(安楽殺処置)を考えている方ではなく 切羽詰って遺棄もできないから悩んでおられる 気楽な団体の人よりも真剣に動物を苦しめたくないから悩んでおられると感じます


12/16 毎日放送4ch14;55~「ちちんぷいぷい」でまたもや 熊本市の礼賛報道を流しました

インフルエンザの如く 報道関係者へのノーキル伝播は抗体なき感染の如く ただ単に礼賛につきる安易さにはがっかりです

褒めることと同時に 全体を理性的に観察し判断して 改善すべき点を指摘することとを取り上げられないのは取材に際しての基礎知識のなさを物語っていると感じます

一般の視聴者はかなりの部分でメディアによって影響を受けることがあると感じます

戦争前後の思想操作に一部でも報道が加担をされたことも事実ですし その点では思考の方向性を示唆される機会を持っておられることをもっと真剣に感じてくださり 偏った思考に誘導されることのないように配慮していただきたいものです

現実的に考えて 現状での日本の国で「ノーキル」が達成できますか?

数字やトリックでは可能かもしれませんが その陰で動物たちが悲惨な状況に置かれることを見過ごすことになる結果を招くでしょう

堅実な基礎知識を培われて 絶大なる実力をもって世界的規模で行動されている「英国王立動物虐待防止協会(RSPCA)」でさえも「ノーキル」「殺処分ゼロ」には至らないのが実情です

人間が支配する社会では弱者や動物への虐待や殺傷はなくならないのが現実です

いかにして減数に勤めるかに重点が置かれることが大切であり 少なくとも対人では不可能である「安楽死処置(安楽殺処置)」が動物には許されることが救いであることを認めなければ遺棄やネグレクトも闇の殺処分もなくなりません

動物の命を救うことが「幸」に結び付けられない譲渡や販売であれば 人の心の安らぎを得るためだけの行為であり 人間の辛さを動物に耐えさせているにすぎません

12/1213に神戸市内で開催された「アニマルケア国際会議2009」でお会いした多くの方々は さすがにそのことを認識されておられました

私の接した範囲ですが 「熊本市方式」の全面礼讃のお方には出会いませんでした

それぞれに妥当と感じます的確な批判(非難 誹謗に非ず)がおできになれる方々でした

熊本市については 一般市民の集団ではなく 「動物の愛護及び管理に関する法律」(昭和48101日・一部改正━昭和58122日・平成11716日・平成111222日・平成17622日・平成22年改正予定)

の適正運用を使命とされ 指導的地位にある行政機関であるにも関らず 安易に達成できるような印象を与えて「ノーキル」「殺処分ゼロ」と公言され 遺棄さえも示唆されることが問題なのです

「動物の愛護及び管理に関する法律」の運用にあたっては

動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目(平成18120日環境省告示第20)

(動物の管理) 5条で以下のように示されています

一 動物の飼養又は保管は、次に掲げる方法で行う。

イ 飼養又は保管をする動物の種類及び数は,飼養施設の構造及び規模並びに動物の飼養又は保管に当たる職員数に見合ったものとすること。

これは一例ですがその他にもこと細かく業者に対する遵守事項があります

業者規定がそのまま行政機関に適用されることはないと言われるでしょうが 業者に求めることは指導者としての行政機関が手本となるくらいのレベルを保たなければ説得力に欠けてしまいます

譲渡対象の動物の長期保管で頭数において また方法は適正であるのか 熊本市のみならず全国の行政機関が再検討されることではないでしょうか?

そして一方の大切な事項としての 殺処分対象の動物たちの処遇の改善であります

すでに当のブログで述べていますが 動物愛護センターと称するところで3日間保管の犬たちが身動きさえも容易ではない 移動用の檻に閉じ込められている状況があります

殺処分方法の改善とともに取り組まなければならないことです

このようなことを改善すべく率先して働きかけられることが議員とされての活動の義務であり 施設の改善がないままに「ノーキル」「殺処分ゼロ」を唱えるのは順序として違和感が有ります

ご自分や動物愛好家と自称される方々の心の満足のために社会に迎合されるためかと誤解をされかねない「ノーキル」「殺処分ゼロ」発言は慎まれることを要望いたします

今こそ 真に「幸」になれる動物が増えるために 適正な譲渡や販売の基礎を築くときであります

「ノーキル」「殺処分ゼロ」を過剰に期待して 人が辛さを耐えることから逃避をすれば動物につらさを押し付けることになります

ヒトの心の幸せのためには動物に我慢をしてくれと言われるのであればそれもやむを得ないことでしょう

誰かのセリフにありましたが「日本に生まれた動物でなくてよかった」ということになります

「かわいそう」がどのようなことかをお一人々が考えて頂ければ答えはおのずから示されるでしょう  2009/12/20  S,Ma

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コメント

 動物ネタは所詮、マスコミにとって三流ネタと山崎恵子さんの講演にありましたが、ほんと、十年一日その態度変わらないですね。

 一人一人の記者さんをみると、それなり優秀な人も少なくないんですが、「自主規制」がすごく働いているのを感じます。
 無難なところで記事を書くという姿勢。
 ネタを持っていても、これを出すとその後の取材に差し障りがあるんじゃないかという自主規制。
 現場を歩いて”深い記事”を書かせる余裕も新聞社に無くなってきているようにも思います。
 ”思考停止のカルト的”右へならえ精神も抜けませんしね。

 ノーキルの偽善の影で犬猫受難の時代です。

 鳥の広場にコメントを有難うございました。ブログは年末年始休暇に入ります。
 予定外のこの1年、疲れ果てました。
 アクセスが急増すると、どの辺りに焦点を合わせて記事を書いたらいいのか分からなくなりません?
 1日30、60位までは、マイペースでしたが、100、200となると、なにやらこちらも振られます。振られる自分にも気をつけないといけませんね。

 S,Maさん、貴女はスーパーウーマンか?・・・、私は完全にばてました~。しばしの休息をとりまする。

 
 

 CCクロはいつまで開いていますか?
 実家に姉が手伝いに来てくれる年末年始に見学に行ければと思っています。
 今年、姉は例年より早めに来る予定なので、行政の仕事納め前に動けると思います。

 メールでお返事頂ければと思います。

 来年はアークエンジェルズ民事裁判の判決も出るし、栃木のNPO法人は刑事告訴されました。
 少しずつ、しかし堅実着実に、”愛護を騙る保護活動”への社会問題提起は進んでいくでしょう。

 それらに変わる”CCクロ”のような施設を国内に増やしていくことが肝心と思っています。

CCクロのボランティアさんたちの中にも熊本の報道をリアルタイムでご覧になられた方たちがおられます。その方たちの感想は、決して「殺処分ゼロが素晴らしい」ではなく、「あんな短いチェーンにつながれて、首がしまらないのだろうか?ずっと立ったままの姿勢なのでは?」「熊本市で引き取りを断われたら、隣の県に連れて行くのではないか?近隣の県の処分数が増えているのでは?」といったものでした。報道されていることだけが事実ではないという視点、同じ場で活動する者として頼もしく思いました。いえ、当たり前の視点かもしれませんが、多くの市民の方がいかにその当たり前の視点を持っていないかが、熊本礼讃の社会ムードを作り上げていると思います。
やり方は色々あっていいはずなのですが、やはり基本は「動物に苦痛を与えない」ことに尽きると思います。

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