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2009年11月25日 (水)

センター近隣に住む者さんへの返書

センター近隣に住む者さん

コメントを頂きありがとうございました

極端に誹謗したり捏造でない限り どのようなご意見であっても述べていただくことが社会を変えるきっかけになると思います

日本人は従来内に秘めて意志をあからさまに示さないことが奥ゆかしいとされてきたように思います 

しかし 私は時に「あなたは本当に日本人なの」と聞かれることがあるように意思表示は明らかにしてまいりました

あなたのご意見として「ノーキル」が大切だとのお考えであることは 今までの人生経験や知識の会得をされた結果であろうと思いますから 間違っているとか正しいとかは私には言えません

私の人生経験や知識の会得からは 私の意見として動物に対する「ノーキル」の肯定はできないことであり 「ノーキル」発想は動物に悲惨な状況を強要することも事実として見てまいりました

動物には営利や無知識のための過繁殖と言う実態があり その結果が飼育できる需要と供給のアンバランスを招き 現状では「余剰動物」と言われる行き場のない動物たちが惨めに生かされるか または悲惨な死を強要されています

「人工繁殖は 人工淘汰」の原則も特に人社会に密着した愛玩動物とされる犬猫に適用されなければ 遺棄や放棄が増えざるを得ないでしょう

「ノーキル」の発想は人には心地よい響きであり やさしさの表現のようですが 残酷に生かされる動物たちの生涯を考えると安楽死処置は救いであると言えると考えるのが私の考えです

動物には「明日」長い時間での「将来」と言う概念はないと思います

動物には「今」という時間に幸せであることが生涯の幸と同等の意味を持つように思います

その今と言う時間に 虐待やネグレクト 遺棄による交通事故等の災害 病気 餓えと不安にさらすことを見過ごすことは私には辛いことです

それでも生きていることが大切と言われる方に巡り合った動物は宿命として困難に耐えて生かされることも 人が関与して決めていることだと思います

人と動物は決定的なところで種の違いがあり 人が常に生死に関与することが常とされています

純粋に野生動物でなければ 交通事故や餓えや 病気で死ぬことは自然死ではありません

手助けをすれば救うことができるケースが多く これも無責任な人工淘汰の内であると思っています

「ノーキル」の発想が進んで 食用に供される動物も認めてはならないとされる考えもあります 

人は自ら正しいと思うことを実行しなければ他人の意志に左右されてしまいます

意見を述べることで傷つく方がおられることも意識しながらでも 言わなければならないこともあると思うのが私の考え方であり生き方です

人は感受性で一つの意見についても全く異なる印象をもたれることがあります

他人の意見で傷つく方ばかりではなく 私の生き方はこうですと自信を持って自己の意見をもって人生をまっとうされる方もあります

極端な同情が当事者を傷つけることもありうるのではないかと感じることもあります

基本的には私は人工受精には反対ですが 私が反対であるためにそれが廃止されるとは毛頭考えていません

それが幸につながっている方々は自信を持って人生を全うされることでよいと思います

他人に言われてぐらつくようでは 新生される命に対して無責任だとも言いたいくらいです

多分厳しいことを言うとお感じになられるでしょうね

生き方について深く考えることもできない方々もおられますし 与えられた能力はそれぞれに異なります

誹謗につながる言葉でなければ こうして 意見を交わすことがよいことであり 今日の考え方と明日からか 1年か10年先には社会情勢や 科学の変化(進歩とは言いたくない 進歩は適用する人により必ずよいとは限らないと感じていますから)で 意見は変わるかもしれません

私は40年前にはとても「ノーキル」とか「動物福祉」と言うことに関心もありませんでした

しかし 人工繁殖には自然ではないと言う理由で賛同できませんでした

私は子孫を残さない生き方に悔いもなく 残すことができた方々を羨むこともありません

与えられた生き方であり 動物に関わる生き方を宿命として甘受しています

1匹の虐待被害にあった子犬との遭遇が私たち夫婦の人生を変えました

そのことから 多くのことに考えをめぐらし したくない経験もたくさん積みました

損をしたとは思いませんが あの子犬と出会っていなければ 楽しいという価値観が別のことに置き換わっていたと思います

私は宿命論者ですから 与えられた使命と思って 動物が苦しみの生涯を耐えさせることのないように社会を変革してゆきたいと思うのです

その過程で過繁殖にある現状では「ノーキル」は動物に苦痛を強要することが多いと思いますので現実的に安楽死処置を提唱しています

「ノーキル」の前提には繁殖制限が必然です

日本での現状では動物の繁殖は自由であり 過繁殖であっても法的な制裁はありません 

人にのみ「明日」長い時間での「将来」を考える能力が与えられたことが 幸でもあり ある種不幸なのかもしれないと感じることがあります

「人の人工授精」と人工繁殖 人工淘汰を第三者が声高に論ずることがよいことなのか否かは個人のお考えに委ねなければなりませんが そっとしておくことも逃げ道であるようにも思います

卑怯だと思われますか?

やさしさとは誰のためなのか?

多くは自分のためであるように思います

動物愛護は 携わる人の心の愛護に摩り替わっていると感じることが多くなっています

自分がつい事から逃れるために「ノーキル」が提唱され 代わりに動物に耐えてもらっていると感じています 

多くの場合に 人(自分)が辛さに耐える分 動物(他人)は辛さを回避できますが 人(自分)が辛さを回避する分 動物(他人)は辛さを耐えさせられます どちらも関わる人が決めることになります

長い意見陳述で申し訳ありませんが 手短には語れませんのでごめんください

ご意見への返書としてはご不満かもしれませんが 文字で表すことは限界ですね

これに懲りずにご意見をいただければありがたいですね S,Ma

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コメント

お忙しいのに、動物愛護の世界を 何も分かっていない私のような者にまで、ご丁寧な返書を頂き、恐縮の限りです。
ありがとう ございました。

正直、ブログ主さまの返書を読んで、私の知らない、厳しい状況が 動物愛護の世界にはあるんだなぁ~ということが やっと 分かった?推察できる?程度の理解力しか、私にはないようです。
また、ブログ主さまには お子様がいらっしゃらず、小犬との出会いで、色んなことを経験されたとか、そのことも知らず、偶然とは言え、大変 失礼なコメントを書いてしまったようで、あわせて、お詫び申し上げます。
どうも すみませんでした。

人が 生きてきた時間の中で、色んな経験をつみ、その中で培ってきた考えがあって、その中で、意見を述べていく、そこに、正否の介入はできない、ということですね。
そして、人工授精も反対、バランスを崩すような人口繁殖も 反対というご意見ですね。
私、ちゃんと 理解できてますでしょうか?

ブログ主さまの ご意見で、印象的だったのは・・・動物愛護は それに関わる人の心の愛護に摩り替わっている、そう感じているということでした。
つまり、そう感じずにはいられない現実が多いということなんですね。

それほど、動物愛護の世界は 厳しいんでしょうね。

人が 辛さに耐える分、他人、動物が 辛さを回避できるが、人が 辛さを回避する分、他人や動物が、辛さに耐えさせられる・・脳死状態が 何年も続いている他人やモルヒネが効果を失くしてしまう程の痛みと戦う他人に、死をもって、その辛さを回避させてあげることは、犯罪になるので、出来ませんが、動物は 殺処分した方が その辛さを回避してやれるってことでしょうか? 
誰かの我慢の上に 誰かの幸せや動物の幸せがある、そこに、お互いの幸せを考える余地はないのでしょうか?
誰か一人が ベストになるのではなく、皆で ベターの道はないのでしょうか?
皆で、ベターから、ベストを目指していく道はないのでしょうか?
ブログ主さまがご存知の動物愛護の世界は 私なんかの想像を遥かに超える、厳しい現実があり、その現実は いつか、人間社会にも浸透、人間社会にも及んでくる現実となるのでしょう。なんだか、悲しい未来です。
私にも出来ることを模索中ですが、私には とても無理のようですね。
ズブの素人にまで、丁寧に、ご指導してくださり、ありがとうございました。
また、突然の不躾なコメント、ホントに 申し訳ありませんでした。
これからも、動物のために、社会のために どうか、お力添え下さいますよう、お願い致します。ありがとうございました。

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